• 泊まって楽しむ昭和資料館 ゲストハウスるーのす

     先日、るーのすから歩いて5分の興善寺さんで「写経」に初めて挑戦してみました。

     これまでも興味はあったものの実際に参加する機会(と、勇気w)がなかったのですが、ついに実体験することに。
     写経は多くの寺院で行われていて、たいへん心が落ち着くものだと聞いていましたし、写真や映像などでもよく見ているので雰囲気はだいたいわかっていたつもりですが、いざとなるとやっぱりちょっと緊張しますね。

     自席には写経の一式セットが準備されていますよ。お手本は阿弥陀経というお経。おお、これを書き写すのか。なんか難しそう…

     一般的には白い和紙に墨で書くことが多いのですが、ここ興善寺さんでは「紺紙金泥(こんしこんでい)」といって紺色の紙に金粉を膠(にかわ)で練った金泥を筆につけて写経します。
     正倉院文書には経典を百巻写す場合はそのうち一巻だけを金泥で写経したと書かれていて、かなり特別なものなんだそう。ありがたいことです。

     紺色の写経用紙にはあらかじめ金色で蓮の花が描かれていて、その一つひとつに一文字ずつ乗せて書いていくようになっています。なので文字の大きさや配分など余計なことは心配しなくて大丈夫。
     ただ、この金泥。水で溶いて筆に付けるんですがこの溶き加減が難しい、というかわからない。なんせ金泥など生まれて初めて使うんですからね。最初絵の具を溶くようにじゃぶじゃぶっと溶いたら薄くなりすぎて、文字はにじむし色は残らないしで悪戦苦闘。なかなか思うように字が書けず、もはや字の上手い下手を言ってるレベルではありません。

     それでも一時間くらい試行錯誤しているうち、なんとかそれらしく書けるようになってきたところで小休止。お茶とお菓子のお接待をいただきます。
     左利きなので、筆での「止め」や「跳ね」、「払い」もなかなか難しいんですよね。筆先の向きが逆になっちゃうので。でも、手が汚れないのはラク(笑)

     そして再び写経の続き。
     確かにひたすらお経の文字を書き写すことに集中していると無心になりますよ。二時間半ほどの時間もあっという間で、終わった後はなるほどちょっと清々しい気分。なるほど写経にハマる人がいるのもわかる気がします。

     興善寺さんでは、写経一巻が終わるまでは道具一式を預かってくださいます。次回また写経を申し込むと当日に自席へ出してくださるとのこと。何度か通って完成させるんですが、今回写経できたのはお手本一枚のうちたったの三分の一ほど。もっと書けると思ってたんだけどなぁ。
     お手本は全部で六枚。完成させるにはいったい何回通わねば…(苦笑)

     住職さんのお話しによると実際に1~2年かけて完成させる方も多いんだとか。
     写経会は一回2千円。初回に専用の奈良筆が頂けます。
     奇数月を中心にだいたい2か月に一度行われていますが、開催は興善寺さんのFacebookで告知されますので関心がある方はぜひチェックを。
    https://www.facebook.com/Kouzenji.Nara/