お水取りがいよいよ近づいてきた2月11日、大たいまつに使う竹を東大寺に寄進する「講」のひとつ山城松明講社による二月堂竹送りがおこなわれました。
この「講社」は東大寺二月堂を信仰し、その行事の運営に協力する人たちの集まりです。松明以外にも灯明油や和紙、その他もろもろの資材用具などを準備し寄進する「講社」が各地にいくつもあるのですが、基本的にまったくの無報酬どころか逆に講社費の支払いが必要で、こうした見返りを求めない純粋な信仰心に支えられて伝統行事が連綿と続けられてきているんですね。
さてこれまでは東大寺へ送られてきた竹をお迎えする部分しか見たことがなかったのですが、今回は幸い機会を得てその竹を送り出す出発点側の行事に立ち会うことができました。
場所は山城、現在の京田辺市。
現地には朝7時半集合というなかなかのハードスケジュール(笑)ですよ。
みんなが揃ったら竹を掘り出す竹藪へと向かいます。
10分ほど歩いて到着。藪の中へ分け入るとすでに掘り出す準備が万端。実は何日も前から掘り出す竹を選んだり、当日すぐに掘り出せるように深い根の周りをあらかじめ切っておいたりなどの事前準備をきっちりと済ませてあったそうです。ごくろうさま。
地域の子供たちが見守る中から竹をよいしょと掘り出し、その後は地元の人や子供たちがみんなで担いで運びます。
まずはいったん近くの道の駅へ行き、ここで小休止。
地元の方たちによる大根炊きのお振る舞いがあります。
そのあと再びみんなで竹を担いで大御堂観音寺へ。
住職さんによる道中安全祈願のあと奈良へ向けて送り出されます。
昔は奈良までガチ歩きだったそうですが、今はトラックで運びますよ。
奈良まで運ばれた竹は、東大寺転害門前でトラックから降ろされ、奈良側の住民の歓迎式典が開かれます。こちらでもぜんざいのお振る舞いがあるそうですが、電車移動では間に合わず…
歓迎式典のあとは奈良の人も加わって最後の行程、二月堂まで担いで運びます。
今は交通量が多いので歩道を…
南大門からは大八車も合流してまずは大仏殿へ。
それからラストスパート!がんばって山の上の二月堂をめざします。
鹿さんたちも「何ごと?」と(笑)
無事に二月堂に到着しました。
参篭宿所の下に立てかけて終了です。
修二会期間中は14日間毎日松明が上堂するので
まだまだたくさんの竹が必要なのですが、
それらはまた別の講社さんなどから順次奉納されています。
こうして着々と修二会の準備が整っていきます。春はもうすぐ。